2021/05/24
あなたは「便秘」と聞いてドキッ！とするでしょうか？それともハイ！と手を挙げるでしょうか？
カイロプラクターとして日常臨床をしていると本当に多くの方が、当たり前のように便秘に悩まされています。あなただけではありません、それほど現代人は便秘という症状に馴染みがあるのです。
巷には便秘を改善するための方法で溢れかえっています。「これを飲むだけでドッサリ！」「頑固な便秘がたったこれだけで！」「○○習慣で数十年来の便秘が改善！」などなど、サプリメントから温活、マッサージ（腸揉み）のようなもので実に様々です。
あなたも色々調べ、色々試されたでしょうか？そしてそれはどれくらい効果があったでしょうか？
便秘を起こす原因は多岐に渡りますが、人間である以上基本的な体の仕組みは皆さん同じです。現代人の多くが便秘に悩まされていることも、そして色々な方法を試しても多くの方が改善できないということもまた、偶然ではないのです。
便秘を改善するためには、調べて出てきた方法を片っ端から試すことよりも、体の仕組みを理解して本質的な原因にアプローチする必要があります。
（もちろん片っ端から試して、数打てばその人の原因に運良く当たる場合もありますが）
今回は便秘の改善についてできるだけシンプルに、体の仕組みも混じえながら基本的な指針についてお話します。
腸のエネルギー源は○○○○○
腸の蠕動運動が低下することで便秘になることはみなさんご存知かと思いますが、臓器を働かせるためには当然エネルギーが必要です。腸のエネルギー源となるのは「短鎖脂肪酸」です。この短鎖脂肪酸が不足すると腸の働きが悪くなり、便秘になりやすくなります。
この短鎖脂肪酸、腸内細菌が水溶性食物繊維を分解することで作られるため、水溶性食物繊維を含む様々な野菜や果物をたくさん摂ることが重要になってきます。また、短鎖脂肪酸を含む食物を摂ることで補うことも可能で、代表的な食品がバターになります。
普段よく口にする○○○○と○○○○が腸の働きを悪くする
がん患者さんには便秘の方が多く、がん治療などの際に使われるオピオイドという鎮痛薬が便秘を引き起こすことが知られています（オピオイド誘発性便秘症）。これは腸の神経にオピオイドが作用することで、蠕動運動の低下、粘液分泌の低下、水分吸収の亢進を引き起こすからです。
私たちが普段からよく口にする小麦にはグルテン、牛乳にはカゼインというたんぱく質が含まれていますが、これらは腸内で代謝されることでオピオイドペプチド（オピオイド様の物質）に変化します。オピオイドペプチドが、腸の神経にあるオピオイド受容体に作用することにより、蠕動運動の低下、粘液分泌の低下、水分吸収の亢進を引き起こし便秘になります。従って、便秘を改善するためにある程度のグルテン、カゼインの制限（もしくは完全フリー）をすることが非常に重要となります。
副交感神経を活性化させる
人には自律神経というものがあり、自律神経は交感神経と副交感神経に分かれますが、腸の働きは副交感神経によって活発化します。そのため便秘を改善するためには副交感神経を活性化させる生活習慣を意識する必要があります。
副交感神経を活性化させる方法は様々ですが、時間に余裕を持たせリラックスして過ごす、スマホやパソコンのブルーライト対策をする、部屋の照明を暗めにする、保冷剤などを顔に当てクールダウンする、深呼吸、瞑想、ぬるめのお風呂にゆっくりつかる、などがあります。
また、間食が多い、気づいたらなにか食べているといった習慣は、胃腸を酷使し副交感神経が疲弊することによって腸の働きが悪くなり、便秘の要因になります。時にはファスティング（断食）で副交感神経を休めて回復させることも良いでしょう。ファスティングが難しい場合は、夕食から朝食までの間を１２時間以上空ける間欠的ファスティング（断続的断食）がオススメです。
便秘とカイロプラクティック
カイロプラクティックは筋骨格系の問題だけでなく、体をコントロールしている神経系を整えるのにとても向いています。脳から出て体の各所へ向かう神経の大部分は背骨の中を通るため、何らかの原因で背骨の動きが固まってしまうと神経系にストレスを与え、体をうまくコントロールすることができなくなってしまいます。
カイロプラクティックのアジャストメントによって、神経系へのストレスを取り除いて神経の働きを正常に戻すことによって体は健康へと戻ることができます。便秘であれば腸へ向かう神経へのストレスを取り除いたり、副交感神経を活性化することで便秘の改善にも効果的なのです。
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