《カイロプラクティック界の危機(アメリカ編)/ カイロプラクター大木信之》

 今日ヘルスケアの選択肢としてすっかりポピュラーになったカイロプラクティック。
今の姿からは想像すら難しいですが本国アメリカではその誕生から数々の存亡の危機があったのです。

1.無免許医療行為での告訴

 1895年の誕生から間も無く、ウィスコンシンでカイロプラクティックを開業した森久保繁太郎という日本人が地元の医師会から無免許医療行為で告訴されます。
移民であった彼は、当時高まりつつあった東洋人排斥運動とカイロプラクティック療法に対しての偏見を受けたものと思われます。
これはカイロプラクティック創始後の初の裁判事件となりました。
この裁判ではカイロプラクティックが独自の理論を持ち、西洋医学とは異なるものである事を主張し無罪を勝ち取りました。このカイロプラクティック初の職業生命の危機に日本人が関与していた事もとても意味深い気がします。

2.営業禁止の法律

1915年当時のオハイオ州では医師会が独自の法律を作りました。
内容は、医師で構成する委員会の許可無くカイロプラクティックの営業を行うことが出来ないという事実上の営業禁止の法律でした。
これに対し多くのカイロプラクターは罰金を支払って営業を続けていました。
ところがそれでは罪を認めた事になる、と罰金の支払いを拒否したあるカイロプラクターが自ら正義のため刑務所に入ることを選択したのです。
この時地元新聞はこの話題を取り上げ、彼の患者グループはこの決定を不服とし大きなデモを行いました。

カイロプラクティック界の危機

こういった流れを受けカイロプラクティックの普及に危機感を抱いたアメリカ医師会(AMA)は1960年代に入ると、カイロプラクティックに対して徹底的な排除・撲滅運動を始めました。

3.ウイルク裁判

 1979年、C.ウイルクを中心とする5人のカイロプラクターがアメリカ医師会(AMA)などを相手に独占禁止法で提訴したのです。
アメリカ医師会(AMA)は「カイロプラクティックは非科学的なインチキ療法であり、その従事者は患者治療のための十分な教育と知識に欠ける」との定義を採択しそれを多数の医学関係団体にも決議させます。
またメディアを使いカイロプラクティックが非科学的でインチキであるとキャンペーンを行う、カイロプラクティックの有効性調査を隠す、全米に反カイロプラクティックの資料を配布するなどあらゆる方法でカイロプラクティックの撲滅を図ったのです。
長い戦いの末1987年米連邦地裁はアメリカ医師会の独占禁止法違反を認め有罪判決を下すのです。
まさにこれはカイロプラクティックにとって最大の危機であったと言えるでしょう。

カイロプラクティックがアメリカの全州で法制化されるまでに、なんと61年間を要した事実からも厳しい道のりであったことが十分窺い知れるというものです。
絶え間ない危機を乗り越えて今日の地位を獲得できたのはカイロプラクティックの恩恵を受けた多くの人々の支持があったからこそだと思います。
皆さんもこれらの背景を知る事によって今までとは違った気持ちでカイロプラクティックケアを受けることができるのではないでしょうか。

大木信之さん

《名前》
大木信之 D.C.(おおきのぶゆき)

《出身校・専攻》
CCEA(大洋州カイロプラクティック教育審議会)国際認証校
東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(TCC)
(旧 豪州ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)日本校)(D.C.Program)卒

《学位・称号・資格》
Doctor of Chiropractic(D.C.)
ドクター・オブ・カイロプラクティック

《国際公認試験》
NBCE支援 IBCE協力 JCR主催 第十二回カイロプラクティック統一試験 SPEC臨床能力判定試験 合格(国際公認試験)

《所属団体》
世界保健機関(WHO)加盟
世界カイロプラクティック連合(WFC)日本代表団体
一般社団法人
日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員

《メッセージ》
初めまして、カイロプラクターの大木信之です。
カイロプラクティックの考えのベースにあるのは人それぞれが本来持っている治る力(自然治癒力)です。
人は得てして身体の様々な問題に対し外部からの解決方法にばかり頼りがちです。
しかし答えは自分自身の身体の内側にあるものなのです。
考え方が変わり生活も変わればまた身体も変わっていきます。
自分の身体を信頼する、そのきっかけにカイロプラクティックをお薦めします。

大木 信之

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