2023/01/23
はじめに
筋トレや運動を継続して行うと、筋や心肺機能が成長することで身体機能や能力が向上します。逆も然りで、筋トレや運動をサボってしまうと筋が細くなったり体力が落ちた感じがしますね。これは、ドイツの生物学者ルーが提唱した「ルーの法則」では、「ヒトの器官や機能は、適度に使えば発達し、使わなければ退化・萎縮する」という法則があります。いかにして身体を動かすか、運動させるかを試みて、生活の中で運動を位置づける必要があります。今回は、筋肉にフォーカスして、なぜ筋肉の肥大・萎縮が起きるのかについてご説明していきます。
筋肉の特性について
筋肉(骨格筋)の筋線維タイプは、主に遅筋(赤筋)、速筋(白筋)です。この違いについて魚の筋肉でよく例えられますのでご紹介します。
魚の刺身は、赤身(赤筋・遅筋)と白身(白筋・速筋)に分けられます。赤身は、マグロのような赤身の魚からなります。赤身の魚は、水中で長い時間絶えず泳ぎ続けます。赤身は持久力に富んだ筋肉なのです。人間も同様に、赤筋・遅筋は持久力に富み、長距離選手に多く含まれているとされています。一方で白身はヒラメのような白身の魚からなります。白身は素早い動きに富んだ筋肉です。こちらも人間同様、白筋・速筋は素早い動きを発揮するのに長けており、短距離選手などに多く含まれているとされています。
遅筋と速筋について別々にお話してきましたが、実際は1つの筋肉の中に遅筋(赤筋)と速筋(白筋)が混在しています。遅筋の割合が多い運動選手は、長距離選手・マラソン選手に多く、速筋の割合が多い運動選手は短距離選手・野球選手などに多いとされています。これらの筋線維の割合によって運動の適性競技も決まってきます。
遅筋と速筋が最もよく働くのは20歳代です。それ以降は、年とともに衰えてきます。遅筋は年をとっても衰えは緩やかです。速筋が衰えると、身体を素早く動かすことができなくなってきます。老化や筋力低下が最も起こしやすい部位は下肢の速筋であると言われており、パフォーマンスアップや維持、怪我予防のためには下肢の速筋をトレーニングし、筋力を維持・向上させることが重要となります。
筋肉の性質について
研究にて、筋肉には以下のような性質が報告されています。
・筋肉は筋トレで強化すればするほど、動きが単調で直線的に動きが得意になり、曲線を描くような滑らかな動きを苦手とするようになる。
・筋肉は年齢とともに動きにくくなり、動作に必要な細かい神経の伝達速度も低下する。
・筋肉は年齢と共に疲労が抜けにくくなり、結果的に慢性疲労を起こしやすくなる。
・筋肉は疲労すると、機能的な動きはしづらくなる。
・筋肉は太くする時間よりも、神経を生やす時間の方が長くかかる。
・人間の筋肉は、20代でピークとして、以後、およそ年1%の割合でじわじわと減ってくる。
以上の筋肉の特性から、何もしなければ年齢と共に筋肉は落ちていきますが、筋トレや運動を実施して継続的に行うことで、筋肉量の維持・向上ができることがわかりますね。特に重要な部分として筋肉は、筋トレで強化すればするほど滑らかな動きがしづらくなる特性があるため、その競技特性に合わせた機能的な筋肥大を行なっていく必要があることも分かりますね。筋肉量が増えれば良いというわけではなく、その競技に必要な質と量の筋肉をつけていくことが特に重要になります。ウェイトの重さが重くなったからといって競技パフォーマンスが必ずアップするというわけではありません。逆にウェイトをあげすぎると関節に負担がかかるため、機能面に着目したトレーニングをしていくことで、パフォーマンスアップだけでなく怪我予防にもつながってきます!!
筋肥大と萎縮について
(1)筋肥大について
筋肉が大きくなるのはなぜでしょうか?これについて説明していきます。 筋肥大は筋線維の破壊と修復で起こります。筋力トレーニングを続けていると、次第に筋肉が太くなります。これは、筋肥大と呼ばれる現象で、筋肉を構成している筋線維の1本1本が太くなることによります。そこには「超回復」というサイクルが関与しており、超回復が起こるのはトレーニング後48-72時間と考えられています。なので、筋肥大を目指すのであればトレーニング後はタンパク質を豊富に含む食事を摂り、2ー3日は強度の高いトレーニングを避けた方が良いと言われているわけですね。
(2)トレーニング期間と効果消失について
トレーニングは、短期間で毎日行う場合と、長期間週に1度行う場合、どちらの方がトレーニング中止後に筋力の低下が抑えられるでしょうか??
なんとなくイメージはつくと思いますが、、、
様々な研究にて、短期集中型のトレーニングではトレーニングの効果はすぐに出ますが、トレーニング中止後すぐに筋力の低下が起きることが報告されています。逆に、長期間のトレーニングは効果が出るまでに時間がかかりますが、トレーニング中止後の筋力低下も緩やかであると言われています。
これらのことから、筋力トレーニングは短期間でなく、継続的に行うことでその効果が長続きするということがわかります。何事も継続は力なりですね。
まとめ
今回は、筋肥大や筋萎縮について筋の特性やトレーニング期間なども踏まえてお話してきました。身体全体について言えることですが、身体が変化するには長期間そして継続的に実施していくことが最重要となります。今年こそは運動を継続したい、パフォーマンスを上げたい!!という方も多いのではないでしょうか??
1月に決意をして新しいことを始めると、継続率が倍になる。という研究もあるようです。ぜひ、パフォーマンスアップ、健康のために1月から定期的なトレーニングや運動を初めてみてはいかがですか??
次回は、今回の筋力トレーニングでも出てきた「超回復」について深掘りしていきます。お楽しみに!!
【参考文献】
・菅野俊郎:筋萎縮と肥大に関する一考察 2018.
・山内秀樹等:廃用性萎縮の機能回復に及ぼす運動負荷の影響 リハビリテーション医学 2014.
《出身校・専攻》
CCEA(アジア大洋州カイロプラクティック教育審議会)国際認証校
東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(TCC)(旧 豪州ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)日本校)(D.C.Program)優等卒 最優秀賞受賞
目白大学 保健医療学部 理学療法学科 卒
《学位・称号・資格》
CCEA(大洋州カイロプラクティック教育審議会)
国際認証Doctor of Chiropractic(D.C.)
ドクター・オブ・カイロプラクティック
Physical Trainer
理学療法士(PT)(厚生労働省大臣公認国家資格)
《卒後教育》
国際PNF協会認定 Basic(PNF1/2)修了
国際PNF協会認定 Advance(PNF3)修了
《国際公認試験》
NBCE支援 IBCE協力 JCR主催
第二回カイロプラクティック統一試験
SPEC臨床能力判定試験 合格(国際公認試験)
《所属団体》
世界保健機関(WHO)加盟世界カイロプラクティック連合(WFC)日本代表団体一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員
【メッセージ】
WHO(国際)基準カイロプラクター・理学療法士の外山恭平(とやまきょうへい)です。
プロアスリートや一般のアスリート、ジュニアアスリートにスポーツ愛好家の方を始め、モデルの方や各種コンテスト入賞を目指している方などを対象としたトレーニングとメンテナンスケアを可能とする浄心の施設で活動をしています。
アスリートやスポーツ愛好家、モデルの方々のパフォーマンスアップには『機能的に動ける身体』を創ることが大切です。身体の土台である脊椎・骨盤の機能が制限されている状態で日々のトレーニングや練習を続けても、身体機能や神経機能が十分に働かないためトレーニング効果が十分に得られません。
カイロプラクティックは、身体内部の状態を考慮した上で『機能的な問題』を見つけ、これを取り除くことで人間が持つ本来の動きを取り戻すことを目的としています。
カイロプラクティックで『機能的に動ける身体』になった状態で日々のトレーニングをすることで、今までにないパフォーマンスアップにつながると信じています。あなたの将来の可能性を引き出すためにカイロプラクティックを受けることをお勧めします。
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